サスペンションドリル
一月ほど経ちましたが、Monkeyのフルサスフレーム20KOのプロトタイプが世に出ましたね。
インフルエンサーが呟いたので、多くの方の目に留まったようですね。

(via: ameblo.jp/bikeshoprag/)
もう時効?と勝手に判断しますが、1年ほど前にノリさんにCADを見せて戴いており、1年間黙っているのが辛かった(笑)。
その際には他言無用と緘口令が敷かれましたが、もう実物が世に出てしまったのでね...
でもノリさんに怒られるかもしれないので、一応細部はモザイク掛けとこ。
トップチューブの逆ベントは、90Kオマージュとのことです。
モンキーフリークなら、分かりますよね!
逆ベントは、ボトルのスペース確保にも役立っていそう。
一日中山を走り回るには必須の装備ですからね、結構重要。

開発用フレームの18Kには存在しなかった、リアユニットと平行に走るステーが追加されています。
この辺りは、スペシャのスタンピーが片持ちステーを入れているのと同様に、捻じれによるリアユニットの摺動性の低下対策かなと勝手に解釈しております。
あとはリンク用のピボットを少しオフセットさせ、シートポストの差し込み量を確保するのにも役立っていそう。

多くの方の目に触れた20KOですが、サスペンションのレイアウトについて触れている方は少なかったかな?
やはり見た目が重要なのかな。
以下は僕の勝手な目視インプレですが(笑)、このサスペンションはリア・エンドにはピボットが設けられていません。
これはリアバックもクロモリ製と言うことで、細くてしなやかなシートステイの撓りを活用しているからです。
この辺りも最近のカーボン製のフルサスフレームでは、同様の考えでピボットを廃止しているフレームが増えて来ました。

(via: ameblo.jp/bikeshoprag/)
そしてもう一つ特徴的なのが、レイダウンが少ないレイアウトだと言うことです。
以前も書きましたが、レイダウンとはリアユニットのストローク方向とスイングアームorリンクとの角度のことです。
一般的にはレイダウンが鋭角であるほど、ストローク後半でレバー比が低くなり、見掛け上のスプリングレートが上がります。
プログレッシブ効果が大きいとか、ストローク終盤で踏ん張るって奴ですね。
一般的にと前置きしたのは、複雑なサブリンクが入っていたりして、単純にスイングアームorリンクの軌跡を想像出来ない場合があるからです。
↓ レイダウンが大きい(鋭角な)FREE DRIVEサスペンション

では何故、レイダウンの角度(レイアウト)によりレバー比が変わるのか...
それは簡単に説明すると、リアユニットが直線運動なのに対し、スイングアームorリンクが円弧の軌跡を描くからです。
少し余談ですが、一部の変態設計者は決して軽くないリニアガイドをブチ込んで、直線運動に換えちゃうフレームも存在しますが(笑)。
下の漫画を見て下さい、左のバネがリアユニット、グレーの3角がスイングアーム、下の支点がメインピボットになります。
スイングアームの作動角が同じでも、ストローク後半の方がリアユニットの作動量が延びることが分かるかと思います。
リアユニットの作動量は A>B>Cになります。
要するにストローク後半に行くに従いレバー比は低くなり、見掛け上のスプリングレートが上がると言う理屈です。
※フリーハンドで描いた漫画なので、AとBが変わらないとか言わないで!
この特性が、レイダウンが大きい(鋭角)ほど強調されると言うことです。
ちょっとややこしいのは、一般的にレバー比と呼ばれるものは車軸(アクスル)とリアユニットのストロークの比率です。
例えばリアアクスルが100mmトラベルでリアユニットが50mmトラベルなら、レバー比は2:1って奴です。
しかし今回レイダウンの原理の中で述べているレバー比は、円弧運動を直線運動に換える際にバリアブルにレバー比が変わるよって話です念のため。

では、20KOのレイダウンはどうでしょうか?
一見するとレイダウンは90度に近く鈍角で、サスペンションリンク自体が持つプログレッシブ効果は少なめと想像出来ます。
これは前記した、リアエンド部にピボットを設けずシートステイの撓りを利用する為、あえてレイダウンを少なくしているのでしょう。
ただ最近のリアユニットは高性能化していますし、ボリュームスペーサーでボトムアウト付近のチューニングも出来ますからね。
まあ画像からでも、これくらいはサスペンションの特性を想像出来るかな?って話です。
余談ですが昔のフルサスでレイダウンンが90度以上のフレームは、ストロークに伴い逆にレバー比が上がる特性なので、エアスプリングは其れ自体がプログレッシブ効果を持っている為正常に作動しますが、コイルスプリングと組み合わせると頻繁にボトムアウトすることになるので注意が必要です。
ですから昔のフレームに現在のリアユニットを組み合わせる場合は、軸長だけでなくノウハウが必要でしょうね。

(via: facebook.com/imaizumishouten)
細かいサスペンションのことなんて分からなくても、楽しく乗れればOK。
勿論、そうなんですけどね。
自転車歴が長いベテランさんになると、ジオメトリだけで酒のつまみとして一晩語り明かせる。
まあ、そんな嗜み方?も面白いんじゃないって話でした。
因みに「MTB レイダウン」で検索しても、僕のBLOGくらいしかヒットしないんだよね。
あまり「海外は、海外は」って”海外かぶれ”みたいなことは言いたくないけど、海外のMTBフォーラムでは頻繁にサスペンションについて議論されているんですよね。
その辺りを鑑みると、まだまだ日本は後進国なのかな~。

(via: facebook.com/imaizumishouten)
こんなことを書くと怒られちゃうかも知れないけれど、僕は自転車で生計を立てている訳では無いから言うけど、やっぱりMTBはあまり流行らない方が良いよなあ...
擦り倒したようなトレイルが増えて来ちゃったし、山には所有者が居るってことくらい最低限理解出来ていないとまずいよねホント...
インフルエンサーが呟いたので、多くの方の目に留まったようですね。

(via: ameblo.jp/bikeshoprag/)
もう時効?と勝手に判断しますが、1年ほど前にノリさんにCADを見せて戴いており、1年間黙っているのが辛かった(笑)。
その際には他言無用と緘口令が敷かれましたが、もう実物が世に出てしまったのでね...
でもノリさんに怒られるかもしれないので、一応細部はモザイク掛けとこ。
トップチューブの逆ベントは、90Kオマージュとのことです。
モンキーフリークなら、分かりますよね!
逆ベントは、ボトルのスペース確保にも役立っていそう。
一日中山を走り回るには必須の装備ですからね、結構重要。

開発用フレームの18Kには存在しなかった、リアユニットと平行に走るステーが追加されています。
この辺りは、スペシャのスタンピーが片持ちステーを入れているのと同様に、捻じれによるリアユニットの摺動性の低下対策かなと勝手に解釈しております。
あとはリンク用のピボットを少しオフセットさせ、シートポストの差し込み量を確保するのにも役立っていそう。

多くの方の目に触れた20KOですが、サスペンションのレイアウトについて触れている方は少なかったかな?
やはり見た目が重要なのかな。
以下は僕の勝手な目視インプレですが(笑)、このサスペンションはリア・エンドにはピボットが設けられていません。
これはリアバックもクロモリ製と言うことで、細くてしなやかなシートステイの撓りを活用しているからです。
この辺りも最近のカーボン製のフルサスフレームでは、同様の考えでピボットを廃止しているフレームが増えて来ました。

(via: ameblo.jp/bikeshoprag/)
そしてもう一つ特徴的なのが、レイダウンが少ないレイアウトだと言うことです。
以前も書きましたが、レイダウンとはリアユニットのストローク方向とスイングアームorリンクとの角度のことです。
一般的にはレイダウンが鋭角であるほど、ストローク後半でレバー比が低くなり、見掛け上のスプリングレートが上がります。
プログレッシブ効果が大きいとか、ストローク終盤で踏ん張るって奴ですね。
一般的にと前置きしたのは、複雑なサブリンクが入っていたりして、単純にスイングアームorリンクの軌跡を想像出来ない場合があるからです。
↓ レイダウンが大きい(鋭角な)FREE DRIVEサスペンション

では何故、レイダウンの角度(レイアウト)によりレバー比が変わるのか...
それは簡単に説明すると、リアユニットが直線運動なのに対し、スイングアームorリンクが円弧の軌跡を描くからです。
少し余談ですが、一部の変態設計者は決して軽くないリニアガイドをブチ込んで、直線運動に換えちゃうフレームも存在しますが(笑)。
下の漫画を見て下さい、左のバネがリアユニット、グレーの3角がスイングアーム、下の支点がメインピボットになります。
スイングアームの作動角が同じでも、ストローク後半の方がリアユニットの作動量が延びることが分かるかと思います。
リアユニットの作動量は A>B>Cになります。
要するにストローク後半に行くに従いレバー比は低くなり、見掛け上のスプリングレートが上がると言う理屈です。
※フリーハンドで描いた漫画なので、AとBが変わらないとか言わないで!
この特性が、レイダウンが大きい(鋭角)ほど強調されると言うことです。
ちょっとややこしいのは、一般的にレバー比と呼ばれるものは車軸(アクスル)とリアユニットのストロークの比率です。
例えばリアアクスルが100mmトラベルでリアユニットが50mmトラベルなら、レバー比は2:1って奴です。
しかし今回レイダウンの原理の中で述べているレバー比は、円弧運動を直線運動に換える際にバリアブルにレバー比が変わるよって話です念のため。

では、20KOのレイダウンはどうでしょうか?
一見するとレイダウンは90度に近く鈍角で、サスペンションリンク自体が持つプログレッシブ効果は少なめと想像出来ます。
これは前記した、リアエンド部にピボットを設けずシートステイの撓りを利用する為、あえてレイダウンを少なくしているのでしょう。
ただ最近のリアユニットは高性能化していますし、ボリュームスペーサーでボトムアウト付近のチューニングも出来ますからね。
まあ画像からでも、これくらいはサスペンションの特性を想像出来るかな?って話です。
余談ですが昔のフルサスでレイダウンンが90度以上のフレームは、ストロークに伴い逆にレバー比が上がる特性なので、エアスプリングは其れ自体がプログレッシブ効果を持っている為正常に作動しますが、コイルスプリングと組み合わせると頻繁にボトムアウトすることになるので注意が必要です。
ですから昔のフレームに現在のリアユニットを組み合わせる場合は、軸長だけでなくノウハウが必要でしょうね。

(via: facebook.com/imaizumishouten)
細かいサスペンションのことなんて分からなくても、楽しく乗れればOK。
勿論、そうなんですけどね。
自転車歴が長いベテランさんになると、ジオメトリだけで酒のつまみとして一晩語り明かせる。
まあ、そんな嗜み方?も面白いんじゃないって話でした。
因みに「MTB レイダウン」で検索しても、僕のBLOGくらいしかヒットしないんだよね。
あまり「海外は、海外は」って”海外かぶれ”みたいなことは言いたくないけど、海外のMTBフォーラムでは頻繁にサスペンションについて議論されているんですよね。
その辺りを鑑みると、まだまだ日本は後進国なのかな~。

(via: facebook.com/imaizumishouten)
こんなことを書くと怒られちゃうかも知れないけれど、僕は自転車で生計を立てている訳では無いから言うけど、やっぱりMTBはあまり流行らない方が良いよなあ...
擦り倒したようなトレイルが増えて来ちゃったし、山には所有者が居るってことくらい最低限理解出来ていないとまずいよねホント...
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